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一人の院生が就職活動で創業期の楽天に出会い心惹かれていく30日間



先週ツイートしたので楽天マフィアを調べてたんですが、界隈の著名人がどんどん出てくる中でやっぱり外せないのが創業メンバーであり「楽天を作った男」である本城愼之介さん。以前ここでもちょっと取り上げた氏。大学院生の時に就職活動で興銀を志望しており、「興銀卒業生」訪問で三木谷さんと出会い、一緒に楽天を作ることに。今では日本を代表するベンチャーとなった楽天の創業ストーリーはコーポレートサイトにも載っているので、一度見てみるといいかもしれません。

さて、その本城さんが院生時代に就職活動日記をWeb上で書いていて、それがいまでも存在してたので読んでみました。そこには三木谷さんとの出会い、そしてベンチャーの魅力に取り付かれ、充実した毎日を送る様子が描かれおり、まるでその場にいるような感覚になり、久しぶりに盛り上がったので、その部分を抜粋してみました。三木谷さんのちょっと意外な様子や、楽天初期の雰囲気を感じることができとても貴重だと思います。

4月15日 さて、今日は第一志望企業のOB訪問。明後日は、この会社を辞めた人と会う。 辞めた人と会うというのも、すごく重要だと思うので、今から楽しみにしている。

就職活動日記は1996年1月から更新されており、しばらく経った4月、三木谷さんと出会います。

4月17日 OB訪問に行ってきた。でも、今日のOB訪問はちょっと普通じゃないのだ。 その会社を辞めた人て、現在は社員数3名のベンチャーをやっている人に会ってきたのだ。目がぎらぎら輝いてて、話しもすごくおもしろくて、しかも現実味があった。正直言って、心がゆれ動いた。とりあえず、 また明日ちょっとバイトっぽいことでその人のところにいくことにした。 もしかするともしかして、そこで働くことに決めちゃうかもしれない…。

三木谷さんの圧倒的な存在感にかなり影響を受けた様子がわかります。ちなみに本城さんは銀行などの金融機関から情報産業を盛り上げていきたいと考えていたようです。

4月22日 履歴書を提出していた某ベンチャーキャピタルから、本年度の採用は 行なわないという通知が届き、履歴書も返送されてきた。でも、実際に少しベンチャー企業に関わってから思ったのは、 融資なんかする側よりも、実際にベンチャーに参加して動いた方が楽しいということ。やっぱり夢がある。おもしろいです、はい。

4月29日 以前、この日記でも書いた小さなベンチャー企業のお手伝いをすることにした。結局、アイディアと技術力のある会社が規模なんて関係なく元気良く動きまくり、で、がんがん既成事実をつくっていって、情報産業をもりあげているんだなあ、って思うようになってきた。そんなわけで、就職観も大きく変わりつつあります。

5月8日 以前この日記にも書いたベンチャー企業にすっかりはまっている。 就職活動もそっちのけで、そこの仕事をやっている。楽しい。 今日もそこのオフィスにいって、いろいろやってきた。明日も、明後日も。そしてこれからずっと、のような気がする。

5月10日 天気がよくて気持ちがよかった。といっても、一日ビルの中だったけど…。 明日はその例のベンチャーオフィスのお引っ越し。朝の8時に恵比寿。 僕の家は藤沢市。遠い…。早起きしないと。宣言。明日、重大発表をこの日記上でします。もう想像ついてる??

最初に三木谷さんに会った時からある意味「運命」は急激に動き始めていたのかもしれません。ついに楽天で働くことを決意します。

5月11日 就職が決まった。というか、決めた。今年の1月に設立されたベンチャー。社員数4名。僕が5人目。最近は、ここの仕事の手伝いをしている。すごく楽しい。3週間位前に、ひょんなことからそこのスタッフの人と知り合い、もう次の日からそこのオフィスに通っていて、きがついたら、こんなふうな感じになっていた。スタッフの人がみんな楽しそうに、そして夢を もって働いている姿に魅力を感じた。あと、事業内容にも。いろいろ迷いはあったけど、最終的に決め手となったのは 「ここかな、自分が夢をもって働けるのは」というカン。なにも根拠なんかない。でも、そういうもんだと思う。

 で、今日はそこのオフィスの引越し。今までは、マンションの1室をオフィスにしていたんだけど、今度はすごい。かっこいい。広い。そこに引越し業者に頼まずに、自分たちで引越しをした。写真とか撮ったりして楽しみながら。自分たちで引越しをしたもんだから、「自分たちのオフィス」っていう感じがすごくした。今回の引越し、なんとなく「成長」ってことを感じた。

オフィス移転は自分達でやったんですね。三木谷さんも机とかダンボールとか運んだのかな。なんか凄い!写真撮ったり楽しんでる様子を想像するとニヤニヤする。

5月24日 僕が就職することが決まっているベンチャー企業のオフィスオープンパーティーがあった。パーティーといっても、普段しごとしている机とかをずらして、飲みものや食べものをならべただけのカジュアルなもの。いろんな人が来た。一緒に仕事をしている(M)さんと(T)さんはすっごく沢山友達がいる。で、その友達がとても応援してくれて、今日も沢山きてくれた。 友達って大切だなあ。

この「M」さんは三木谷さんですよね、きっと。「T」さんは誰だろう。

5月29日 今日、新しい勉強を始めることにした。 アカウンティングとファイナンス。僕の就職するベンチャー企業では必須。一緒に仕事している(M)さんと(T)さんはどっちもばりばり。(M)さんからすすめられたのはなんと英語のアカウンティングの本。がーん。

英語!

5月30日 すっごくびっくりしたことがあった。(M)さんと(T)さんと夜ご飯を 食べにいったのだけど、カレーうどんを注文した(M)さんは、同時に生卵も注文していた。どうするのかなあ、と不思議に思っていたら、 なんとびっくり。その生卵を割って、カレーうどんに入れているのだ。 「げえええええええ!」と驚いたら、「え?なんで普通じゃん 。北海道はだめだなあ。」と言われた。どうやら(M)さんは普通のカレーライスにも生卵をかけるらしい。信じられない。ちなみに(M)さんは神戸出身。いやー、びっくり。

カレーうどんを食べる三木谷さん。

7月22日 月曜日の朝は、いつもより1時間早く会社に行く。8時30分からのMonday Morning Meetingがあるから。数人の会社だからといって社内のコミュニケーションを疎かにすると、なかなか仕事はうまくいかない。昼ご飯を食べる時も、電話を留守電にして、4人そろって食べに行く。 僕は、昔は自分が就職したら絶対に会社の人と夜ご飯を食べにいったり、飲みにいったりしたくないって、けっこう思ってた。けど、実際にこうして働いてみると、そういうのも楽しいなと思う。というか、そういう時じゃないといろいろと話しができないこともあったりするし。それに、そういう余裕が会社の力になるのかな、とも思う。

みんなで食事に行くという風土だったんですね。なんか良いですね。



今からちょうど20年前、1996年。本城さんはこの一年後、1997年5月に「楽天市場」をオープンさせます。そして取締役副社長などを歴任、2005年3月に楽天を「卒業」します。その後は教育分野に活動の場を移し、中学校校長やシブヤ大学講師、そして現在は「森のようちえんぴっぴ」に携わっているようです。

最後に、こちらの引用で締めたいと思います。

7月18日 たまたま偶然に、今の会社と出会った。運が良かった、といえばそれまでだけど、最近は、やっぱり出会うべくして出会ったのかな、と思う。ほんの少しの「きっかけ」が僕の目の前にあって、それを僕は少しずつ育てていった。その結果が今。これから先、どうなるかわからない。けど、「今」しっかりしていれば、これからもしっかりしていくと思う。「これから」は「今」の続きだと思うから。今はほんと自信もって「充実してます」って言える気がする。


photo credit: Rakuten Cafe via photopin (license)



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