「成功の陰には支援者がいる!」有名な5社における創業前後の支援エピソード
八方塞がりになり「会社がなくなる瞬間はこんなふうにやってくるのかな」と思い始めたとき、知り合いからある投資家を紹介され、面談に出向くことになりました。そのときの出会いがアイスタイルの運命を変えることになります。どれだけ長い時間、話をしていたのかわかりません。(時計がなかったから)ただずっと話をした最後に Aさん:「わかった。で、いくら必要なんだ?」 私:「はい、1億です」 Aさん:「そうか」 といって、その場で小切手に1億と書き、渡してくれました。http://www.venturenow.jp/founder/006yoshimats/20130405020259.html
この某投資家はおそらく今でも大株主のあの方だと思いますが、きっと吉松さんの熱意や人柄に出資したんだろうなと思います。
アイスタイルの話は起業後の話ですが、似たようなエピソードで、起業前に「ポン」と資金を渡してもらい、その後成功をおさめたという話がいくつかあるので紹介しようと思います。
■出光興産 出光佐三 投資家:日田重太郎
家族のために独立を決意したものの、資金の当てが無かった佐三に、日田は当時のカネで六千円(現在の八千万から九千万円)を、「貸すのではなく、もらってくれ」と申し出た。資金を提供するにあたって日田は三つの条件を付けた。第一に、従業員を家族と思い、仲良く仕事をしてほしい。第二に、自分の主義主張を最後まで貫いてほしい。第三に、自分がカネを出したことを人に言うな、というものであった。http://d.hatena.ne.jp/pract/20050822
日田重太郎は資産家であり、その息子の家庭教師を佐三がつとめたことから親交を深めた。六千円は重太郎が別荘を売却して調達したお金であり、それをポンと渡すあたり凄いな、と。佐三も生涯にわたり重太郎に感謝し、教えを守り、巨大な企業に育てあげた。
■ユナイテッドアローズ 重松理 投資家:畑崎廣敏(ワールド)
最初、そんなに大きな数字になるとは言ってなかったんやけどね(笑)。これをやりたい、あれもやろうと直接言って来られて、全部即決してたら、エラい数字になってたんや。全部、重松さんが直接言ってこられて、僕が即決してたんやな。信頼しとったからね。勝機はあると思ってたし、この人なら大丈夫と思ってたから、なんとも思わなかったんよ。http://www.25th.united-arrows.co.jp/feature/97
当時ビームスで働いていた重松さんが独立を考えた際にワールド畑崎さんにプレゼンし、「即決」でサポートを勝ち取ることに成功した話。アローズ25周年記念の企画で重松さんと畑崎さんの対談から当時の情景が浮かびます。この体験がひょっとしたら初期ZOZOの支援に繋がったのかもしれないな、と。(ZOZOオープン当初からアローズは参加をし、それが呼び水となって他の有名ブランドもZOZOに出店していった。参照)
■Google アンディ・ベクトルシャイム
細かいことを一々話している暇はないから、とりあえず小切手だけ渡しておこう。http://templatesuplex.com/177
スタンフォードの学生だったラリーとサーゲイがGoogleのデモを見せた際に発した言葉。まだ法人口座も作ってないGoogleに10万ドルの小切手を渡した。デモが素晴らしかったのかもしれないが、直感以外なにものでもないよなぁ。
■サイバーエージェント 宇野康秀(インテリジェンス)
1998年、1,000万円の資本金のうち7割を、社長である藤田晋氏が起業前に所属していたインテリジェンスが出資して設立されたサイバーエージェントの場合、上場直前にインテリジェンス側と比率を下げる交渉をする様子が、「心臓はバクバクし、手は汗でびっしょりでした」と生々しく描かれている。この譲渡が完了し、藤田氏は筆頭株主になったという。http://www.fromhc.com/column/2009/11/3-2.html
インテリジェンスで働いていた藤田さんが起業を決意し、資金の一部をインテリジェンスが負担。「後々インテリジェンスが保有する株を譲る」という口頭での約束をサイバーエージェント上場前に実行。インテリジェンス取締役会での反対があったものの、宇野さんが男気をみせた。このあたりのエピソードは藤田さんの著書『渋谷ではたらく社長の告白』に詳細に書かれているのでぜひともお読みください。
このように起業にはドラマがあり、その裏には支援者がいる。いろんな人達の力の結晶が成功へと導いているのかもしれない。